昔からの「鯉のぼり」を歌おう!いらかの波と雲の波、歌詞と意味は?

最近では屋根より高いところで泳ぐこいのぼりを見かけることも減ってきましたね。
屋根より高い・・・といえば、おなじみ「こいのぼり」の歌の歌いだしですね。
とっても有名なこの歌ですが、実は同じく「こいのぼり」というタイトルで、別の歌があることをご存知ですか?
今回は、もうひとつの「こいのぼり」についてのお話です。
鯉のぼりの歌詞
1.
甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり
2.
開ける広き其の口に、
舟をも呑(の)まん様見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり
3.
百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍るや鯉のぼり
鯉のぼりの歌詞の意味は?
なんだか使い慣れていない言葉がたくさん出てきましたね。
現代語に近いように訳してみます。
1.
うねうねと続く屋根や雲たちの間を、
たちばなの木が香る朝に
こいのぼりが高く泳いでいるよ
2.
大きく開いたその口は
船を飲み込んでしまうほど大きく見えて、
ゆったりと大きく揺らす尾ひれには
物事に動じない勇ましさがある
3.
巨大な滝を登ったら
たちまち龍になって空へ上るよ
男の子よ、私のようになりなさい、と
こいのぼりは空に向かって泳ぐよ
そもそも誰が作ったの?
こちらの「こいのぼり」の作曲者は弘田龍太郎(ひろた りゅうたろう)という人物です。
作詞者はわかっていません。
メジャーな「こいのぼり」が昭和6年に発表されたのに比べ、こちらは大正2年発表というとっても古い歌なんです。
17年も前に作られていたんですね。
屋根より高い~、に乗っ取られた理由を考えてみた
ふたつの「こいのぼり」ですが、主に歌われているのは「屋根より高い~♪」の方ですね。
これには時代が大きく関係しているようです。
上に記載した通り、古いほうの「こいのぼり」の歌詞は文語調でわかりにくく、今となってはあまり素直に意味をとらえられません。
一方で、新しいほうの「こいのぼり」の歌詞は、現代でも十分に通じる意味になっていて、耳に残りやすい言葉遣いです。
小さなわが子に聴かせるなら、やっぱり音の柔らかな新しい「こいのぼり」を選ぶ方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、古いほうの「こいのぼり」も日本にとって大切な歌の一つであることに違いありません。
これを機会に、どちらも歌えるようにしておくと将来何かのタイミングで役に立つかもしれませんね。
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